サステナブルファッションが注目される背景|日常の装いと持続可能性のつながり

最近では、「サステナブルファッション」という言葉を目にする機会が増えています。環境問題への関心の高まりとともに、ファッションもまた社会や自然環境と深く関わる存在として見直されているのです。

この記事では、サステナブルファッションが注目される背景と、私たちの日常にどのように取り入れられるかについて考えていきます。

サステナブルファッションの特徴とは?

サステナブルファッションに明確な定義はありませんが、以下のような取り組みがその一例です。

  • 再生可能・再利用可能な素材の使用
  • 環境に配慮したオーガニック原料の活用
  • 長く着られるデザインと丈夫な縫製
  • 過剰包装の削減
  • 必要な分だけをつくる受注生産
  • 生産に関わる人々の適正な労働環境
  • 動物由来素材を極力使用しない方針

これらは、服そのもののあり方だけでなく、それに携わる人々や地球環境に対して責任を持つという考え方に基づいています。

なぜ今、サステナブルファッションなのか?

国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたことをきっかけに、多くの業界が「持続可能性」に向き合い始めています。ファッション業界も例外ではなく、多くのブランドが生産方法や素材の見直しを始めました。

服づくりの裏側にある環境負荷

服が完成するまでには、原料調達・紡績・染色・裁断・縫製といった多くの工程があります。それぞれが環境に何らかの影響を与えており、たとえば天然繊維でも水資源を大量に消費し、化学肥料による土壌汚染が起こる場合があります。

また、合成繊維では石油を原料とし、製造時にCO₂を排出するなど、目に見えない環境負荷が多く存在しています。

大量生産・大量廃棄の現状

日本では年間で一人あたり約18枚の衣服を購入し、そのうち約12枚が処分されているという調査があります。さらに、着用されないままタンスに眠る衣服が約25枚あるともいわれています。

こうした衣服の約68%は廃棄され、わずかにリユース・リサイクルされているのが現状です。年間で約50万トンを超える衣類がゴミとして排出され、その多くが焼却・埋め立てにまわされています。

持続可能なファッションのこれから

こうした現状に対し、ファッションのあり方を見直す動きが広がっています。「長く着られる」ことを前提に設計された衣服や、洗濯時の繊維くず排出を抑える素材の開発、購入後の修繕保証など、多角的な視点からサステナブルな選択肢が生まれています。

洗濯もサステナブルに

実は、洗濯の方法も環境に影響を与えるポイントの一つです。洗濯の際に流れ出るマイクロプラスチックは、海洋汚染の一因とも言われています。合成繊維の服を洗う場合は、専用ネットを使ったり、自然由来の洗剤を選ぶことで流出を抑えることができます。毎日のケアの方法も、環境へのやさしさにつながります。

日常の装いからはじまる、未来への一歩

日々着る服を選ぶことは、日常のなかでできるサステナブルな実践です。環境にやさしい素材、長く着られるデザイン、丁寧なケアや再利用といった選択は、無理なく続けられる小さな一歩となります。

HEIEでは、自然環境に配慮した素材を用い、日常に寄り添う着物のかたちを提案しています。持続可能な未来に向けて、心地よく、美しく装う時間をお届けします。